リアルに宇宙を体感! 多世代が楽しめる市民参加型の科学館

郡山市ふれあい科学館
スペースパーク

郡山駅前にある、21世紀の郡山を象徴する駅前再開発ビル「ビッグアイ」の最上部に設置された、福島県初の本格的な理工系科学館。名誉館長は漫画家の松本零士さん。年間約14万人が訪れる。

「『子どもの理科離れや科学技術離れへの対応』、『大人の生涯学習意欲への対応』、『中心市街地の活性化』の3つが当館の主な目的です。また、科学館が一方的に発信するのではなく、コミュニケーションを重視して、ボランティア(『スペースボランティアの会』)など市民参加型で、地元大学や企業、高校生など、様々な機関・方々と連携した事業なども展開しています」と話す企画運営課の唯野宏さんに案内してもらった。

唯野 宏さん

公益財団法人 郡山市文化・学び振興公社郡山市ふれあい科学館

月面の重力や
宇宙飛行士疑似体験も

直通エレベーターで22階に上がり、メインエントランスから宇宙船のような通路をぬけて、展示ゾーンへ。「宇宙の中のわたしたち」をコンセプトに、宇宙船のレプリカや本物の隕石、H-ⅡA・H-ⅡBロケット、国際宇宙ステーション日本実験モジュール「きぼう」の一部分実物大模型といったリアルな展示が並ぶ。館内では、スマートフォンを使った音声ガイドシステム(日本語のほか4つの言語に対応)を使った解説を聴くこともできる。特に人気なのは、月面の重力を体験できる「ムーンジャンプ」や、宇宙飛行士の訓練を疑似体験できる「トリプルスピン」といった身体を使って宇宙を体験できるアトラクション。さらに、「びっくり実験ラボ」では、サイエンスショーや実験教室が毎日行われ、週末も様々なワークショップを開催している。

映像の中にいる感覚の
プラネタリウム

23~24階の「宇宙劇場」は、「地上から世界一高い所にあるプラネタリウム」としてギネス認定を受けている。ひな壇状の座席に座ると、全天いっぱいの星空が手に届くようだ。投映機は、日本で5台しかない最新鋭の機器。番組は、今夜の星空と天文や宇宙に関する話題を紹介するスタンダードな「一般番組」、小さな子どもが親子で楽しめる「キッズアワー」、音楽とともに星空や宇宙をめぐる「星と音楽のひととき」の3種がメイン。他にもテーマごとに詳しく紹介する夜間の「イブニングアワー」、乳幼児と保護者の「ベビープラネタリウム」、シニア向けの「いきいきプラネタリウム教室」、聴覚障がい者向けの「字幕つきプラネタリウム」と、あらゆる世代向けのプログラムを実施している。

「スクリーンいっぱいに映像を映すので、映像の中に入っているような感覚が味わえますし、解説も、最新の天体トピックスを交えたり、来館者に合わせて生解説を行っています。メインの3種のプログラムは約2カ月毎にテーマを変えてお届けしているので、内容が変わるたびに来館いただいている方も多くいらっしゃいます」というように、何度訪れても楽しめる。

未来の宇宙飛行士の誕生を
目指して

22階の展望ロビーは入場自由・無料で誰でも気軽に立ち寄り、福島県一の高さから郡山市内を一望することができる。郡山駅西口駅前広場で月1回開催する「天体観望会」も、無料で誰でも気軽に参加できるイベントだ。また、「天文科学クラブ」「郡山市少年少女発明クラブ」「天文カレッジ」といったクラブ活動、講演会や科学ゼミナールなどの学びのイベント、星空案内人資格認定講座(星のソムリエ®)も。宇宙や科学に興味がある人も、特別な関心がない人も、それぞれの興味に合わせて利用でき、間口が広い。 「今後も多世代が楽しみ学べる生涯学習施設として、皆さんが集える場所になることを目指します。そして、郡山から未来の宇宙飛行士が誕生できるよう、様々な活動を実施していきます。2021年は開館から20年の節目となる年で、多彩な開館20周年記念イベントを実施しますので、ぜひご参加ください」(唯野さん)。

「ビッグアイ」って何?

郡山西口駅前にある、地上24階・地下1階建て、高さ約133mの福島県一の高いビル。2001年、郡山駅前に人を集め、駅前・中心市街地の活性化を目指す駅前再開発複合ビル、21世紀の郡山の都市像を実現していく「顔」としてオープンした。1階~5階は商業施設の「モルティ」、6階・7階は「市民プラザ」で、行政窓口や展示室、会議室、交流プラザ、雑誌を備えた図書コーナー、健康相談センターなどを完備。8階~14階は定時制・通信制の高校「福島県立郡山萌世高校」、15階~19階はオフィスフロア、20階~24階は「郡山市ふれあい科学館スペースパーク」。

[DATA]

公益財団法人 郡山市文化・学び振興公社
郡山市ふれあい科学館 スペースパーク
郡山市駅前2-11-1
TEL/024-936-0201
HP/http://www.space-park.jp/

■営業時間

開館
●展示ゾーン/10:00~17:45(入館10:00~17:45(入館は17:00迄)
●宇宙劇場/平日10:00~16:15(入館は15:30迄)
金曜10:00~19:45(入館は19:00迄)
土・日・祝日10:00~17:45(入館は17:00迄)
●展望ロビー/10:00~20:00(入館は19:30迄)
休/毎週月曜(祝日の場合は翌日)
12月31日、1月1日
※臨時休館あり。

料金
●宇宙劇場(個人、入れ替え制)
一般(65歳未満)400円
高校・大学生等300円
小中学生200円
幼児・65歳以上100円
※幼児が席を使用しない場合は無料

●展示ゾーン(個人)
一般(65歳未満)400円
高校・大学生等300円
小中学生200円
幼児・65歳以上無料
※団体料金は別途 詳細は公式HP参照

※掲載の情報は取材時のものです。詳細は施設のホームページをご参照ください。 ※新型コロナウイルス感染防止対策に伴い、営業時間、定休日は変動がある場合があります。