コロナ禍で2つのイベントを成功させ 地域に貢献

地域の活性化を目指し
青年部だからできることを

郡山商工会議所青年部 広報委員会 委員長
岩間 裕太郎さん

郡山商工会議所青年部(郡山Y EG=Yo u n gEntrepreneurs Groupの略)」は、郡山商工会議所の青年部で、昭和60年(1985年)に発足し、今年36年目を迎えた。様々な職種の150名(2021年4月14日現在)が会員となり、地域と企業の活性化や発展のために協力しあいながら、経済人として研鑽を積み、地域企業と地域の発展、活性化を目指し青年部だからできる活動に取り組んでいる。例えば、地元に住んでいても案外知られていない、日本遺産に認定された安積疏水(あさかそすい)や開成山公園のパンフレットなどを作り、普及に取り組み、開成山公園北側のさくら通り沿いの650mの桜並木のライトアップ事業を郡山電設業者協議会と共に行うなど、地元の歴史的資源や文化の伝承・発信する事業も行う。「商工会議所青年部指針(以下参照)があり、これにのっとった事業を考えています」と話すのは、広報委員会委員長の岩間 裕太郎さん。

車内で楽しみ密にならない
「ドライブインフェスタ郡山」

「2020年度はコロナの影響で様々なイベントが中止になりましたが、私たちで少しでも地元の経済活性化に役立つことができないかと考え、2つの新しい取り組みを行いました」。そのひとつは、2020年の8月14日・15日に開催した「ドライブインフェスタ郡山」で、郡山カルチャーパークの駐車場を会場に、昼はドライブスルーで郡山の食を楽しむフードフェス、夜は車でドライブしながら映画を鑑賞するドライブインシアターの二部制で行った。

「コロナ禍の新しい生活様式に対応した、密にならず、安心・安全に楽しめる新しいイベントとして、多くの企業や団体の方々にご協力いただきながら開催することができました。ちょうど年度初めにコロナウイルスが拡大して、人が集まるイベントの見通しが立たなくなりましたが、中止にしてただ手をこまねいているのではなく、どういう形なら開催できるかアイディアを出して実行できるのが、郡山商工会議所青年部の強みではないかと思いました」と岩間さんは振り返る。

商工会議所青年部指針

郡山商工会議所会報より

われわれ青年部は
一、 地域を支える青年経済人として先導者たる気概で研鑽に努めよう
一、 国際社会の一員であるべき 国際人としての教養を高めよう
一、 豊かな郷土を築くために 創意と工夫 勇気と情熱を傾けよう
一、 文化を伝承しつつ 新しい文化の創造に向かって歩を進めよう
一、 行動こそ時代を先駆けるべき青年の責務と信じ力を合わせ 国の礎となろう

駅前を中心とした飲食店約60店舗が参加
「駅前ストリートフェス」

もうひとつの新たな取り組みは、2020年11月6日・7日に行った「こおりやま駅前ストリートフェス」だ。このイベントは、国のGoTo商店街に採択をいただき、郡山駅前にある、うすい通り(なかまち夢通り)と大町通りのさくら通りをはさんで一本に伸びる商店街を応援しようと、青年部の有志が飲食店を一軒一軒回り、イベントへの参加を呼びかけて約60店舗が出店した。各ブースには飛沫防止シートを吊り下げ、椅子とテーブルを使いたい人は事前に募り、名前と住所を書いてもらうなど、コロナ対策を徹底。大勢の方々が訪れ、商店街が賑わった。
「郡山商工会議所青年部が発起人ですが、郡山中央商店街と大町商店街、郡山飲食業協会青年部など多くの団体とコラボして、実行委員会を作って、郡山商工会議所青年部の鴫原和義会長が実行委員長を務めました。2つの商店街がコラボするのもこの30年で初めてだったと聞きます。これまでそういうチャンスがなかったこともあり、ピンチだからこそ協力しようという雰囲気が盛り上がり、駅前が変わったと思います」。イベントのコンセプトは「食べよう・灯そう・触れよう」。駐車場「エリートパーク9」に大きいスクリーンを設置して映像を流し、アトラクションを行った。“楽都”と言われる郡山は合唱コンクールで金賞を取るような音楽に強い学校が多いが、コロナでコンクールができなかったため、小学校の合唱風景を事前に撮影してお披露目をし、児童やご家族に喜ばれた。「飲食店は深刻なダメージを受け、市民も閉塞感、ストレスを感じる環境で、何かしなければという意気込みは感じていただけたと思いますし、万全を期して動いたなかでお褒めの言葉もいただきました」。「こおりやま駅前ストリートフェス」は、商店街の共同など初めての試みがいくつもあったが、大勢を集客することができ、この経験を次に生かせるのではないかという手ごたえも感じることができ、次へのステップになったであろう。

2021年度も地域貢献を目指し
小さなことを積み重ねる

郡山商工会議所青年部は10年以上にわたり子ども育成事業に取り組んでおり、子ども株式会社や子ども職業体験事業などを開催してきました。駅前商店街で子どもたちの販売会の実践を行ったりすることもあったという。「2020年度の目標は“小さなことからコツコツと。”でしたが、まさにその通りで、新たな出会いもあり、いろいろと勉強をさせていただきました。私たちの使命は地域貢献です。よりいい福島、よりいい郡山を作っていけるような活動をしっかり進めていきたいです。コロナが収束しないなかで、今年度の活動をどうするかは駅前の活性化も含めて今後考えていきますし、また機会があれば駅前商店街とも連携し何かできればという期待もあります」。苦境にあってひとまわり強くなった青年部の今後に期待したい。

[DATA]

郡山商工会議所青年部 事務局
住所/福島県郡山市清水台1-3-8(郡山商工会議所内)
TEL 024-921-2621(直)
FAX 024-921-2640

HP
http://koriyama.yeg.jp

※掲載の情報は取材時のものです。詳細は施設のホームページをご参照ください。 ※新型コロナウイルス感染防止対策に伴い、営業時間、定休日は変動がある場合があります。