“好き嫌い”を入口に絵を描き、鑑賞しよう

いい絵悪い絵はない。
好きか嫌いかが大事です

えかきや画像 3代目店主の結城和俊さん

絵を描くことで育つ力
絵がある暮らしを考える

仙台市内には画材店は3店舗しかない。画材店にひとつ「えかきや画材」。1970年代に創業し、現在は親類の息子で3代目の結城和俊さんが引き継いでいる。絵が好きな人にはおなじみの店だ。

絵に関連する全てをサポート

良質な画像は創作意欲を刺激する

『えかきや画材』は、各種画材の販売、額縁の製造と販売、公募展の出品や個展の手伝い、会社や店舗、住宅への絵の設置などを行なう。「アートに関することは “なんでも”しています」と結城さん。意外なところでは、寄席文字によるお祝い額の製作、有名スポーツ選手の記念ユニフォームやサイン入りバットの額装、ホールインワンしたゴルフボールとスコアカードの額装といった、立体物の額装も行なう。店舗の2階には約18畳の『art space定禅寺ギャラリー』を併設、アートの発表の場を提供している。

画材は、油絵具、水彩絵具、アクリル絵具、色鉛筆、パステル、日本画用の絵具や刷毛、筆など。匂いのない画溶液や天然由来の材料で作ったクレヨン、Tシャツやトートバックに描いてオリジナル作品が作れる布専用の『布えのぐ』も。画材は確実に進化している。男性に限らず女性の方も道具にこだわるそうだが、良質の画材を手にすると、創作意欲のようなものがふつふつと湧いてくる。

絵を描く子どもたちの減少
絵が空間と心を満たす

art space 定禅寺ギャラリー

定禅寺通のグリーンベルトで、ベンチに座ってスケッチをしている人を時々見かけるが、ほとんどが大人だ。絵を描く人の年齢は上がっているという。「私たちが子どもの頃は、西公園や野草園、動物園などに出掛けて絵を描いたものですが、最近の小・中学生は学校の外に出て、実際の風景や生き物などを見て描くことが少なくなりました。子どもの安全面の心配、汚れることをよしとしない傾向があるかもしれませんが、それが子どもの絵画人口の減少にもつながっているのでは。実物を見て描くと記憶力や観察力が育ちますし、そういった訓練は大切だと思います」。 子どもの頃に絵を描く習慣が身につくと、途中描かない時期があっても、またいつか大人になって描きたくなるのではないだろうか。

絵を描く人を増やす活動が必要と考える結城さん。2012年から、お客様の疑問に答える形の体験イベントとして『定禅寺アートピクニック』を開催している。また、全日本画材協議会が主催する『JAM公募展・みんなに知ってほしい地元の風景を描こう!』に参画。その第2回の巡回展を、4月25日(火)~4月30日(祝・日)、『art space定禅寺ギャラリー』で開催する。

「絵を描かなくても、生活の中で絵を楽しんでほしい。いい絵・悪い絵はない、自分が好きと思った絵がいい絵です。無名の若い作家の作品にもいい作品がたくさんあります」と語る結城さんの自宅では、季節ごとに絵を掛け替えるそう。「絵があると部屋がイキイキと見違えるようになります。自分の好きなものを手元におく満足感もありますね」。 例えば古い絵の額を変える。大切な思い出の品を額に入れて飾る。数点のポストカードを額に入れて並べるだけで素敵なインテリアになる。心が豊かになり、満たされる。そんな感覚を実感してもらうために何ができるか、結城さんは日々考えている。

[DATA]

えかきや画材 art space定禅寺ギャラリー
仙台市青葉区春日町3-8 Tel.022-225-7647

■営業時間

9:30~18:30

■休館日

第3月曜日

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