牡蠣はつくる人の人柄が出ます
- カウンター8席の落ち着いた店内は、女性一人客も多い「かきや no KAKIYA」。
窓際の2席は、光のページェントを眺める特等席
作品を創造するようにデザインされた牡蠣
「かきや no KAKIYA」は、仙台中央卸売市場に居を構え、創業約70年になる老舗の水産仲卸が営む和風オイスターバー。 自社で仕入れて自社で浄化した、市場直送の新鮮な牡蠣が堪能できる。
生産者に会って仕入れる牡蠣
「昨今、産直は安心で美味しいと言われていますが、産直だからいいわけではありません。同じ産直でも、いつ、どんな環境、条件で育ったか、どんな人が、どんな思いで育てた牡蠣か、で味は大きく違います。生産者の方は、作品を作るように、牡蠣をデザインしているのです。だから、牡蠣には作る人の人柄が出ますね」。そう語るのは、牡蠣を扱って約20年の牡蠣の目利きで、シェフ、そしてかきや代表取締役の内海知洋さん。仕入れる際は、産地に足を運び、生産者に会い確かめることが基本だ。
同店では春夏秋冬と一年中、三陸を中心に4産地の殻付き生牡蠣が味わえる。夏が旬の岩牡蠣は、大粒で歯ざわりがよく、クリーミーな味わいだという。この店では、「Rのつかない月(5月~8月)は牡蠣を食べるな」という欧米のことわざは無縁だ。
生牡蠣の食べ比べが可能
一番のおすすめは、やはり素材本来の味が楽しめる殻付き生牡蠣だ。「オイスター4ピースプレート」は、4種の産地が違う殻付生牡蠣の食べ比べるができるひと皿。写真は、岩手県三陸町越喜来(おきらい)産、岩手県大船渡市赤崎産、宮城県本吉郡南三陸町の名足産、島根県隠岐産だが、産地は1、2カ月ごとに変わる。違う産地の牡蠣を食べ比べると、喉越し、柔らかさ、味わい、弾力など、1個だけではわからない違いが明確にわかるという。生牡蠣は、そのままでもいいが、牡蠣醤油や黒酢タレも用意されている。大粒でぷりぷりした食感、濃い美味しさは1個でも十分に満足できる。
極上のオイスターシューターも
- 「オイスターシューター」は、海の宝石箱
とでも呼びたい贅沢なひと品
生牡蠣のほかに、石焼、炙りといった食べ方もリクエストできる。人気メニューは、牡蠣のやわらか煮や牡蠣のオリーブ味、牡蠣フライなど。最も贅沢なのは、シャンパングラスに生牡蠣、生うに、イクラ、めかぶ、特製タレを入れた『オイスターシューター』。欧米のオイスターバーでは定番だが、仙台ではほとんどお目にかかれない逸品だ。口の中にシュートさせるからシューターだが、贅沢な海の幸を一気に口に放り込むのはちょっともったいない気がする。食前酒と共に『オイスターシューター』をチビチビと味わい、殻付き生牡蠣の食べ比べて、牡蠣づくし料理のイントロを楽しもうか……。
『かきや no KAKIYA』では、ランチも営業している。かき丼に殻付き生牡蠣が付いたかき丼ランチセット、カキフライ定食、日替わり海鮮丼など、日替わりのメニューが充実。12時~13時は満席になることが多いので、時間をずらして訪れるか、予約して訪れるのが確実だ。
[DATA]
かきや no KAKIYA 定禅寺通り店
仙台市青葉区立町26-16 Tel.022-215-2218
■営業時間
11:00~15:00、17:00~22:00
■休業日
水曜(祝日の場合は翌日)